医者の語らないアレルギーや癌などのリスクと対策

よこはま自然育児の会 会報連載記事
特定非営利活動法人(NPO法人)環境勘察グループあおい。くじら
ナチュラルサポート 森下義樹

吸入毒とは何なの?


前号でお伝えしました「口経毒性」、「経皮毒性」、「吸入毒性」とお伝えしましたが、「経皮毒性」と並び怖いものが、呼吸から入る「吸入毒性」です。
呼吸によって空気と ともに肺に取り込まれて肺胞において毛細血管を通して吸収されて体内に入り、血液によって全身に運ばれるルートや、食物などと空気と一緒に口から入り、消化器管を通じて吸収されるルート、皮膚や粘膜から皮膚呼吸として各所から吸収されるルートがあり、特に脂溶性(油に溶ける性質のある)の物質はこのルートでの吸収をうけやすいといわれています。
食物などの「口経毒性」と違い、肝臓を通らないので(解毒されない) 、毒物などが吸収されやすいのでより危険なルートといえます。そして花粉症のように許容範囲を超えると特定の物質や複数の物質に過剰に反応することになることがあります。シックハウス症候群や化学物質過敏症はその中でも最も症状の重いものになります。また、似たような病気で電磁波過敏症があります。電磁波はまた別の機会にお話したいと思います。

主に: 室内空気:ビニールクロス、合板下地、シロアリ駆除剤、防虫対策剤、接着剤、マジックペン、ペンキ、タンス防虫、芳香剤、自動車内装、印刷インク 等
外部:大気汚染、農薬散布、自動車排気ガス、工場排気ガス、アスファルト工事、近隣外壁工事(粉塵及び化学臭) 、ゴミ焼却排気、タイヤ粉塵 等

経口毒性は意外に安全なの?

「経皮毒性」や「吸入毒性」と比べると「経口毒性」の場合は口内の唾液によってがん細胞を死滅させる働きがあるものの、完全に危険を取り除ける訳ではない。その後、胃や腸で溶かされて吸収を受けやすい形になり、小腸の細胞から吸収されて門脈(血管の種)によって肝臓へと運ばれて行きます。
肝臓では、代謝酵素の働きで経口吸収された物質を分解・解毒する働きがあり、大部分の有害化学物質の毒性は無毒化されるといいます。
こうして、肝臓を通すことで化学物質などを解体分解し、そのままの形で血液に入っていくことを防ぐ重要な役割をしています。
尚、肝機能が低下している場合や肝機能が未熟な乳幼児は注意が必要です。経口摂取される有害化学物質などにはより注意しておく必要があります。

主に: 食品、飲料(水道、給湯含む)

経皮毒性と経粘膜吸収

前号のおさらいと追記になりますが、「経皮毒性」と「経粘膜吸収」は文字通り「皮膚」と「粘膜」から入り込むことです。
「経口毒性」と比較すると、有害物質などは肝臓で分解解毒するルートを通らずに、直接血液循環に入って全身に運ばれ、汚染が 進む可能性があります。
また経皮毒性と経粘膜吸収においては、吸収がゆっくり行なわれることもあって、有害化学物質が吸収されてもすぐには症状として出てこないことがあるため注意が必要なのです。

主に: 化粧品、シャンプー、リンス、石けん、UVクリーム、食器・洗濯洗剤、ヘアースプレー、マニキュア、抗菌剤(水周り陶器、下着、靴下) 、入浴剤、浴槽素材溶出物、温水溶出物(温水管・追炊管各溶出物)等
経粘膜吸収:温水便座水(給水管・経路部材からの溶出) 、トイレットペーパー・ティッシュペーパー・生理用品(化学物質溶質/特に古紙にリスク大)
血管直接吸収:予防接種の防腐剤(大半が水銀)

吸入毒との戦い

シックハウス症候群や化学物質過敏症をはじめ、新築・改築・引越し・入学・転勤などで建築の空気環境が変わることで、多くは体調悪化に繋がっています。乳幼児は「このアパートが臭い」 、 「目がチカチカする」などとママに訴えることが出来ないのです。
さらに乳幼児は、床に揮発性物質の6割が放散している傾向があり、ハイハイや睡眠が中心で低身長の時期は床からの影響を受け易いのです。免疫力や解毒能力からみても、微量で影響を受け易いため注意が必要です。
5.6 月号の「日本は世界一環境を破壊する」でも書きましたが木材は外国材のほぼ 100%が化学薬剤まみれ、国産材でも 9 割程有害な薬剤により防腐・防虫・防カビ・漂白などが行われています。
住宅素材の室内に影響を及ぼす可能性のある建材は、無垢使用は少なく大半が新建材のビニール・プラスチック・ペンキ・合板・集成材・輸入木材・鉄・アルミ・コンクリートが主材です。

私の思い出話をしますと、20年以上前にビル建設の現場で現場監督を行っていた頃、コンクリート造の駐車場を現場事務所にしていた為、深夜続きで寝起きもそこにいる状態でした。現場も当然コンクリートだらけで、今思えばコンクリートに含む放射性揮発物や接着剤、六角クロム等を大量に吸い込んでいたことになり、 そのころから花粉症 (当時一般的ではなかった) がはじまりました。
妻が第一子妊娠の際は夫婦で新建材ビニール素材に床・壁・天井が囲まれたアパートに住んでいました。
まさにビニールハウス。 (今の日本の住まいはビニールクロスはもちろんのこと、ペンキや木に見えてウレタン塗装という名のビニールが被ったケースを含め、合板も何層も化学接着剤がサンドイッチされたビニール層そのもので、床壁天井に入っているので新建材=ビニールハウスなのです)
長男誕生後は乳児湿疹・アトピー・喘息・とびひ・アレルギー性鼻炎を発症し、薬に頼る治療を極力やめ、床の通風や換気を工夫し、有機5分ヅキ米や浄水器をシャワーにも設置、お湯張り機能は使わずに浄水器のそのお湯でお湯張りし、温水管からの重金属を含む汚染物質をカットし、入浴時の大切な老廃物の毒出しをする為39度を長めに入らせました。また、遊びも砂遊びや泥団子遊びを中心に自然にあるものになるべく触れさせ、ふれあい動物園や猫を飼って細菌と触れ合うことで(兄弟や友達とのスキンシップも含む)Th1(ヘルパーティ細胞・1型Th1の詳細は次の項目で説明しています。 )を増やす努力をしました。
5歳までに薬剤未使用の国産材新居が完成。2年以内にアレルギー性鼻炎以外は完治しています。
尚、 2つ違いの次男もアパート時代に喘息とアトピーを発症しましたが、 3歳で新居に引越しをし、半年経たずに劇的に改善しています。

環境ホルモンとは何か?

日本ではこのように呼びますが、植物性エストロゲン(エストロゲン=女性ホルモン)と呼ばれていたものが、日本に入るときに「環境ホルモン」と訳したようです。合成の化学物質の多くは女性ホルモンに化けて本物のホルモンと偽者のホルモンが働いてしまうといいます。(一部の合成化学物質は男性ホルモンを邪魔する働きをする)これは合成化学物質の分子構造や性質がホルモンと似ていることで、過剰に女性ホルモンが働いたり、合成化学物質を分解する酵素がホルモンも同時に分解してしまい、ホルモン量を滅少させてしまうこともあるといいます。
また合成化学物質などによって遺伝子であるDNAが傷つくことやホルモンバランスが崩れることで癌細胞の増殖や癌が発症します。
ホルモンと関係が深いガンには、乳ガン、精巣ガン、子宮ガン・卵巣ガン、前立腺ガンなど性ホルモンに関連するものが知られています。有害物質は脂肪や脂肪の多い臓器(乳・子宮等)に多く蓄積し易く、胎児にその汚染物質が移行しやすい。また、生殖臓器に発ガン率が高い傾向があり、女性ホルモンの多い女性(ホルモンの分泌量の多い人)に女性臓器の癌が多い。
さらに、近年の傾向では女性が早く成長する傾向があり、男性のメス化(女性化)する現象も環境ホルモン(合成化学物質)の影響で、性染色体の組み合わせは男性なのに、外見上は女性になってしまうと言われています。
家族がこのようなことに巻き込まれないために情報把握と対策をとりましょう。

ポイントのまとめ

①安全配慮は食事よりも優先順位は「住まい」や「肌につけるもの」にこだわりたい。 (但し乳幼児は食事も重要)
②無添加石けでも動物油脂は危険(大量生産家畜の油脂は「食欲増進剤」「ホルモン剤」「抗生物質」使用が多い) おすすめは無農薬植物油脂、 重症の場合は苛性ソーダや重金属の残留も確認したい。
③予防接種はリスクもメリットも良く考慮し、最低限必要なものにしましょう。
④木材は国産の薬剤未使用で。再生古紙は環境にも身体にも良くない。バージンパルプは20種類以上の合成化学物質が使われ、 古紙はそれより大幅に増える。 再利用は不純毒物が多くなる傾向あり。