NPO法人環境勘察グループあおい。くじら
代表 森下義樹
食の安全に今まで以上に配慮しなければならない時代に入ってきました。
建築業界でも「シックハウス対策法」というザル法が徐々に問題化してくるなど、建材や家具にもより一層消費者が気を使う時代に入ってきました。
F☆☆☆☆マーク(JIS・JASやシックハウス対策法の最も安全なホルムアルヂヒド放散基準表記)だけでは化学物質の臭気は抑えられないことが、法施行後の公共工事の学校、幼稚園等のシックハウス記事があとを絶たないことをみてもわかると思います。
他のシックハウスの専門家なども述べていますが、新築や改築で揮発している可能性がある化学物質は900種類とも言われています。自然素材や無垢であれば良いということでもありません。一般的にはさまざまな薬品に漬け込まれているからです。
まず野菜や木材、珪藻土、羊毛など自然素材は、それ単独では安全性が高いと言えますが、虫、カビ、腐る、割れ、色がクスミがちであるなどの弱点をカバーするため、防腐、防虫、防カビ、結接着、漂白等の有害な化学薬剤に漬け込まれることが多いことを是非知っていただきたいのです。
ちなみに森林木材は危機的状況にありますが、中でも外国材を世界一買っている日本は、世界の山林を伐採させている最大の国です。そのせいで自国の山が放置され、立ち枯れを起こし荒れています。いわゆる「間伐材問題」です。
地球で一番必要なことは木を再生させることです。国産材を買うことで外国材の伐採・森林破壊を止め、国産の林業の予算がつき、植林や移植、枝打ちなどの国内のメンテが出来るようになって、日本の山を健全に戻し維持することができるのです。ご存知かもしれませんが、いわゆる「木使い運動」は国産材でなければなりません。
船便の外国材は海を渡るため多量の化学薬剤に漬け込まれます。これが貨幣差で安価な家具や建材になるのです。しかし身体と地球にリスクがあります。
また、木材の流通は山元から見ると複数の会社を経由するため、薬剤の有無が不明確で「薬剤未使用」の裏づけをとることが極めて困難であります。(ちなみに古紙100%なども多くは化学薬剤漬けになり、パージンパルプより使用する薬剤の量は増え有害性が増すため、お尻を拭いたり鼻をかんだりすると、アレルギーリスクが高まります。しかもそのインクや薬剤の汚れは川を汚すので、膨大なろ過装置が必要になります。「間伐材問題」に当てはめても国産木材使用のチャンスを奪うため、本当に環境に良いのか疑問です)
無垢は高級感があり、メンテも補修も、素材の良さを生かす方法が安価で可能です。身体にも安全性の高い薬剤未処理の材料で、一生持つような家具や建材が、思ったより安価で手に入れられます。また新建材より少しコストUPでも簡単なメンテで40年~100年くらい持つため、劣化による改築をしなくてすみますので、環境と財布と身体に優しいのです。